スケルトンの分譲マンション 1. ロシアの面白い話

ほぼ一文無しで2,000年代に移動したモスクワ。妻と共にしばらく住み、ビジネスが比較的好調に進み、分譲マンションをモスクワ市の郊外に購入することができました。といっても、何千万円もするマンションではなく、中国の「恒大ショック」でよく知られたように、まだ建てていない時から購入することによって、大変安く買うことができるという、いわばリスクのある投資でした。

だまされた投資家たちとデベロッパーとの集会

私の場合もデベロッパーが倒産、幸い別のデベロッパーが買い上げて数年遅れではあったものの、建物は完成したので、かなりラッキーでした。新興国ではよくある問題ですね。

今となっては15年以上も昔の話、簡単に語ることができますが、当時デベロッパー倒産の話を聞いた時は顔が真っ青になり、手が震えたものです。藁をもつかむ思いで、投資家たちとデベロッパーとの集会に参加ししました。

さて、ロシアの場合も中国と一緒で、分譲マンションはスケルトンが普通です。つまり内装はトイレもキッチンもドアも一切なし。その分安いし、自分でカスタマイズできるので、とても合理的だと思います。

このページでは、当時行ったDIYによる内装工事を紹介いたします。

まずは共有部分の廊下ですが、日本のようにきれいに掃除されているわけではなく、玄関ドアも蹴飛ばしたら簡単に壊れるようなドアで、治安の悪いロシアでこのドアのまま生活する人はまずいいません。

私が購入したのは1Kの小さな部屋で、中に入ると大きな一部屋がこんな風に広がります。

床もコンクリートの上に砂があって、なんと建設作業員でしょうか、何者かが大便をしたらしく、その汚物もありました。確かにここは14Fでエレベーターは動かないこともあったので、作業者の気持ちも分からなくもありません。マンション引き渡し時に部屋の中に大便があるというのは、日本では考えられないですね。

しかし、だまされて永久に引き渡されない可能性が高かったので、大便ごときの小さな事柄は全く気にならず、むしろこんな状態でも完成したことに対する感謝の気持ちでいっぱいでした。

14Fから下を見下ろす妻

見下ろした共有部分ロータリー

逆側は一軒家が立ち並ぶ集落地帯。ここは結構なお金持ちがモスクワ市内のマンションでなく郊外に豪邸を建てたりする地域でもあり、古くからの家と混合していた。

周りの建物はまだ未完成

スケルトンでも、分電盤や電気配線は設置済み。

電線ケーブルは裸でむき出しのまま。ブレーカーがON状態時に誤って触ると感電しますが、通常であればブレーカーが作動して死には至りません。

床からも電線のFEPが。

訳の分からない線がたくさんあって、電気配線図もないので、確かめるのに一苦労する。

火災警報器。キリル文字でロシアを感じさせる。

アフター

天井から外壁に埋め込められた電線のジョイントボックス。差し込みコネクターなどは使われておらず、ビニールテープで結線。これを見ると各部屋になぜ火災警報器があったのかがよく分かった。

セントラルヒーティングも最初からついてる。ロシアは国全体で暖房のインフラが整っていて、冬対策はすばらしい。外が零下20度でもアパートの中はTシャツ一枚でアイスを食べたり、冷たいビールを楽しめる。

次の記事ではトイレの内装工事について、ご紹介します。

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